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そして今日も日は過ぎる

七年目

七年目


経過
 論文発表前からPSOにハマっていましたが、実に二月まではPSO漬け。それでも勉強はきっちりやっていました。削ったのは睡眠時間(苦笑)。
 ともあれ、発表後、択一・論文に向けて勉強し前期A答練と択一ハイレベル答練を受講。択一に関してはLECのハイレベル・F択の他、辰巳の総択を二回、伊藤真塾の全国択一模擬試験を一回受講。合計二十回模擬試験を受けました。この二十回というのは択一合格を果たした毎年行っていた事です。
 私は択一に関しては模擬試験はそれなりにいい成績を収めるのに、本番ではあまり力が出ないタイプでした。そこで、本番を模擬試験の感覚で受けられるように回数をこなしていたのです。
 そして択一です。前日不安で眠れず、寝不足状態で受験
 で、この03年の択一試験ですが、易しかったです。しかし、それ故に合格点がハネあがってしまいました。なんと47点。相対評価ゆえの悲劇というか、試験は易しいのに合格するのが難しくなったわけですね。私は18・15・18の51点で突破。
 とりあえず、自己採点の時点で今年も択一は大丈夫そうだと思ったので(ただし受験番号をちゃんとマークしたかは不安でした)、勉強。02年と異なりワールドカップにハマることもなく、小説にハマることもなく勉強しました。
 01・02年と論文直前答練は伊藤塾で受けていたのですが、03年はこれまでとは違う事をやろうと早稲田セミナーの論文直前答練を受講し、二回の論文模擬試験も受講。これまで添削なしコースをずっと受けてきたのですが、この年の論文模擬試験だけは添削ありにしてみました。
 成績は、良くもなく悪くもなくという感じ。平均49.25くらいだったかな?自分の目標である落ちない答案を書くという目的は果たせたのでまあ良しと考えて本試験に突入しました。
 さて、初日です。
 憲法。一問目は得意な平等権。答案構成一分で書き始めます。これに対して二問目は政党規正法。政党規正法に関しては03年は軽く答案を読んだだけでしたのでちょっと不安だったのですが、まあ守れたと思います(ところが蓋を開けてみたらG。他の合格者と話していて思ったのは、私はやっぱり二問目で失敗していたみたいだということでした)。
 続いて民法。毎年論文民法は痛い目を見続けてきたのですが、03年は別。一問目・二問目とも問題の所在がつかめたのです。二問目は賃借権の復活の話と気付いたので(というより元賃借人の利益をどう守るかを聞きたかったのでしょう。信義則での修正もアリだと思います)、両問あわせて五分で構成し、書き始めました。しかし書くことの多い問題でした(予想通りAでした)。
 そして商法です。正直一昨年も聞かれた利益相反が出るとは思いませんでしたが、基本でしたので適当に流し。二問目の方は得意な商法総則の23条・26条でしたのでつらつらと書きました(これもAでした)。
 こうして一日目が終了します。正直言って、これまでの試験と異なり、初めて手ごたえを掴んだ試験でした。今年はいけるかもしれない!後三教科の結果次第ではいけるかもしれない!それでもって興奮して寝付けず、翌日は寝不足のまま試験となりました。
 まず刑法です。二問目。早稲田セミナーの直前答練の問題とほとんど同じ問題が来ましたので、自信をもってかけました。更に一問目も大体の問題点が分かったのでつらつらと書き連ね。刑法も猛烈に書かせる問題でしたね(Aでした)。
 続いて大の苦手の民事訴訟法です。私は特に民事訴訟法の一行問題が苦手だったのですが、この年の一行問題はかつていずれかの答練で書いた問題。あまり条文を挙げられなかったのが心配でしたが、問題の所在は掴んでいたのでつらつらかけました。問題は二問目です。未だに問題の所在がわかっていません(汗)。仕方ないので個々の小問を淡々と解答するという守りの答案形式で書きました(ところがこれがC。ちゃんと守れていましたのでちょっと驚き)。
 さらに刑事訴訟法。一問目は基本中の基本でしたので問題はありませんでしたが、二問目。答練でも何度か書いている論点が出ているのですが『手続きの流れに沿って論ぜよ』との一文がひっかかりました。手続きの流れといわれても、どうすればいいのか?ない知恵を必死に絞って、あてはめのところで手続きの流れを意識して書いてみました(やはり二問目がダメでしたね。結果はFだったと思います。)。
 こうして論文試験は終わったのですが、初日の興奮はどこへやら。二日目は民訴と刑訴が一問づつイマイチな手ごたえでしたので、ガックリしました。
 八月から口述の勉強を始めますが、日を追うごとに駄目想念が襲ってきます。行政書士でも受けてみようかと考え、願書を期限までに出していたのですが、九月からは行政書士の勉強を重視する始末。
 そして運命の日。発表です。
 駄目なんじゃないかという駄目想念に支配され、ゾンビのように血の気のない顔で発表会場に向かったのですが・・・ありました。自分の番号が載っていました。しばらく呆然とし、頭の中が真っ白に。何度も受験番号を確認しましたが、やはりある!思わず、涙が出てきました。人生で一番嬉しかったのは恐らくこの時だったでしょう。
 半分夢うつつ、都合のいい夢なんじゃないかと何度も思ったほど。
 しかし、いつまでも喜びに浸ってはいられません。二週間後に口述試験です。
 しかも発表までの二週間、行政書士の勉強をしており口述の勉強は皆無
 しかもやらなければならないことは沢山あります。スーツを作りに行って、予備校の直前講習に出て試験会場の下見をして、口述模擬試験を受けます。
 こうした時間以外の全てを口述の勉強に当てました。やったことといえば、憲法・民法・刑法は完全整理択一六法で勉強し、両訴は条文の素読。さらに口述過去問にもあたり、更には両訴の手続きの流れを必死に覚えました。
 こうして口述試験です。
 口述試験は猛烈に緊張する試験でした。試験官二人と口頭でやり取りをしていくのですが、これがなかなか大変。えらく簡単な言葉が出てこなかったり、頭が真っ白になったりしてしまうこともあります。試験官の先生方は結構誘導してくれますし、ヒントもバンバン出してくれますのでこれらには素直に乗って、なんとかこうとかやっていきました。
 こうして嵐のように過ぎ去った口述試験。正直民事系はそこそこでしたが、刑訴では言葉が出てこず、また憲法では焦りのあまり聞かれてもいないことを答えてしまったし、ショックで落ち込みました。
 過去の口述再現集を見てると皆、すらすら答えているのに、翻って自分の場合を考えてみると、しょぼしょぼ。また来年口述受けるのか?それは嫌だ・・・。
 受験から約二週間後、発表です。発表会場に赴きました。
 ・・・雰囲気が択一・論文の発表と全然違うんですけど(汗)
 まず、見に来ている人は少ないのに、掲示板前には猛烈な人だかり。そして皆喜びの声を挙げています。更にTVカメラがぞろぞろ。リポーターもぞろぞろ。たかれるフラッシュの雨霰。
 これ落ちたら目茶苦茶しんどくねえか?
 不安を隠しきれず掲示板を見に行きましたが、自分の番号と名前が載っておりホッとしました。論文合格の時は目茶苦茶嬉しかったですが、口述発表・最終合格の時はホッとしたというのが正直な感想です。
 こうして長かった受験生時代がようやく終わりを告げました。感無量とはこのことです。
 この後は司法修習所入所用の書類の提出や、合格証書授与、合格祝賀会出席、予備校でのアルバイトの為の登録など結構忙しいのですが、それはまた別の話。また別の機会にでも書きたいと思います。


結果について思うこと
 最終的にはGAAACFで合格したのですが、では総合点はどうかというと、合格点からみてかなり余裕がありました。とすると、どうもAをとった三教科が結構良かったようですね。
 具体的な順位までは分かりませんが、上記の成績でも丙案なしで合格できることを考えると、合格への早道は、全部の教科で点数をまんべんなく取れるようにすることなのではないかと思います。いわゆるホームラン答案は、あったら良いなあ(というよりも、あればミスを取り返せる程度のもの)という程度のものであって、落ちない答案を数多く揃えた方が効率は良いようです。
 そう考えると、判例通説にたって素直に書いていった方が、特異な説に立つよりも、落ちない答案を書きやすいので、合格しやすいのではないでしょうか。この試験は学者になる為の試験ではありません。独創性よりも、事案処理能力と、実務的な感覚こそが試されるのです。ですから、私は基本的に判例通説に立って、勉強していった方がいいのではないかなあと思うのです。それに、そうすれば、修習以降の合格してからもそんなに苦労しませんしね。


お礼
 合格した時に思ったこと。
 俺一人の力ではここまで来れなかったなあ、ということ。
 定職も持たず試験勉強だけしてたボンクラに援助してくれた両親。
 小うるさい事も多かったけど、なにかれと勇気付けてくれた妹。
 辛い時、悲しい時、嬉しい時もいつも一緒に居てくれて、気晴らしの散歩に付き合ってくれて、嫌な顔一つせず(当然か)愚痴聞いてくれたうちの犬。
 怠け者のバカ弟子に常に気を配ってくださった大学の恩師。
 息抜きに付き合ってくれた友人達。
 それに一緒に戦ってきた試験仲間達。カラテカ君、Iさん、Sさん、Eさん、Hさん・・・。挙げていったらきりがない。
 一番きつい時期を一緒に切り抜けてくれたカラテカ君や、いつも高度な情報を提供してくれたIさんにはとりわけ感謝しています。二人は来年合格を目指していますが、大丈夫!実力なら俺よりずっと上ですよ、二人とも。自分を信じてやれば絶対大丈夫!適度に息を抜きながら油断だけはせずに行けば大丈夫です(そして見事にお二人とも、05年に最終合格を果たされました!)!
 それからもう一人。これ、書くのちょっと恥ずかしいけど、一番精神的にきつかった、司法試験を諦めようかと迷った四年目に『今やめたら絶対後悔するよ!』ってはっぱかけてくれた奴がいるんです。『これまで一生懸命やってきた事は無駄になってないよ、絶対。』とか『厳しいと分かってる道を進んでいるんだから大丈夫だよ!』とか、元気付けてくれて。すげえ効きました。あいつにしたらちょっとした慰めの言葉くらいのものだったかもしれないけど、無茶苦茶効いた。結果全く出せていないのに逃げるなんて、最低だよな、絶対後悔するよな。そいつの言葉、予備校いっている間ずっと噛み締めていました。ちょっとした言葉だけど、すげえ救われた。アイツの心遣い、染みました。格好悪い話だけど、あの日は家に帰って泣いた。
 合格発表からばたばたしていたこともあったのですが、この間日記を読み返していてふと、そいつにお礼をいってなかったことに気付きました。いや、もちろん応援してくれた事のお礼はしていたけど、あの一番きつい時に助けてくれた事、お礼してなかった。駄目だな、俺。あわてて二月下旬になってお礼のメール打っておきました。そうしたら良い弁護士になれってまたはっぱかけられました。頑張らないとな。
 ここで挙げた皆に、お礼の念を述べたいと思います。
 本当に、ありがとう!。


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